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■琵琶湖の風を測る   ─ ビワコダスのルーツとメンバー ─

1989年度から1991年度まで続いた蛍雪作戦 ( 琵琶湖研究所のプロジェクト研究)は、夏はホタル ( 「ホタルダス(水と文化研究会)」)、冬は降雪 ( 「雪ダス」(琵琶湖地域環境教育研究会))という身近な自然現象を、みんなで調べて みようというものでした。

「雪ダス」調査は、特別の専門家でない素人が、どこにでもあるような道具を使って雪の調査をして、 滋賀県の水環境のもっとも基本的な部分にある気象現象への理解を深め、さらに、県内の冬の生活と気象との 関わりを学ぼうと始められました。参加者は各地の気温や積雪などを観測し、その結果を郵送あるいはパソコン通信 湖鮎ネットでホスト局に送ります。それを集計して、 各参加者が全体を一斉に見えるようにしました。同時に、パソコン通信を用いて、冬の気象や暮らしについて自由に議論して いきました。

この議論の中で、琵琶湖の漁師さんたちの間で言い伝えられてきた、風を表す言葉が話題になりました。漁師さんたちは、 どのような風が吹けば湖が荒れて危険であるか、あるいはどのような風が吹けば天気がどのように変わっていくのかというような 経験則を積み重ね、それを代々言い伝えて、漁の計画を決める手がかりにしていることがわかりました。

しばらくして、パソコン通信のメンバーの中から、風の吹き方が天気を考える上で重要だという声が高まり、 その中から、風のことを実際に詳しく調べてみたいという人たちが出てきました。そこで雪だけでなく、琵琶湖地域の気象全体を 詳しく調べてみるということで「雪ダス」に続く「ビワコダス」と命名されました。

ビワコダスは、その後、琵琶湖博物館の展示製作のための調査としてうけつがれ、そのメンバーは、中・高校の理科・社会の先生、琵琶湖博物館の学芸員、気象・物理・教育・民俗の研究家、琵琶湖汽船BSCヨットスクール湖北野鳥センターの学芸員、 コンピュータの専門家などです。


■どうやって測っているの?

参加者が各々の自宅の屋根、施設(社屋)などに、新たに風向風速計を立てて観測することにしました。 しかし、毎日1回の観測で充分だった雪ダスとは違って、時々刻々変化する風を、 少なくとも10分おきに観測する必要があります。そこで、観測データが自動的に記録 されるようなシステムを作らねばなりませんでした。また、観測したデータは互いに 比べねばなりません。

そこで、記録システムのパソコンどうしを通信回線で結ぶことにしました。 観測と通信を同時に行うシステムを作るのが、またひと苦労でした。 そして、もちろん、交換したデータをうまく比べられるように表示するシステムを 作る必要があります。

研究会では、このような苦労を1992年度から1995年度までの4年間続けた末、風観測、データ交換、 比較表示もどうにか完成しました。そして、最後の年には、仲間を増やして、琵琶湖 をとりまく10地点での観測データを集められるようになりました。







(編集 佐本泉/中藤教子, イラスト 近藤真規子(ERI), July 31, 1999)
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